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塩田武士さんの表題のタイトル名の小説が文庫化されました。(講談社文庫)この小説は地方新聞社の労働組合の役員に突然なった若者の目を通して、労働組合と会社側の賃金交渉のありさまを極めてリアルに描いた小説です。私は単行本として出版されたとき読みましたが、自分が行ってきた毎年毎年の賃金確定交渉と重ね合うところが多く、とても興味深い内容でした。文庫化されたことを機会として、ぜひ若い組合の役員の皆さん、さらには若い組合員の皆さんに、手に取ってもらうことを期待するものです。
「ともに頑張りましょう!!」という言葉は、組合用語として、極めて多用され、多くの場合、挨拶などのまとめの言葉として使用されます。皆さんも、どこかで耳にしたことがあるのでは。私自身も、これまで、しばしばこの言葉を使い、話を閉じて来ました。
しかし、振り返ってみると、同じ言葉を使いつつも、様々なニュアンスで使用してきたような気もします。しかし、そのニュアンスは、労働組合としてのシンボリックな言葉、「連帯」を表すものであると思います。仲間とともに頑張る、仲間とともに耐える。仲間とともに怒る。仲間とともに喜び合い、そして、仲間とともに前進する。さらには、その都度、一定の結論を出し、引き続き、とりくみを進めて行くのだと思います。
4月という時期は、労働組合にとって、とても大切な月です。新しく採用された方、移動してきた皆さんに、組合に加入してもらうという組織拡大の課題。まずは、話しかけ、ともにお茶や食事をしましょう。分会役員の役割を確認し、役員体制を確立しましょう。最低限の役割、最低出来ることだけでも決めましょう。
さらには、勤務時間、その始まりと終わり、休憩時間、休息時間を全体の場で確認しましょう。その他の法令で定められていることも、管理職と確認しましょう。ワークルールの確認は、労使で確認しあうことが基本です。
わたしの耳に組合の組織率の低い学校=分会で、パワハラが多く発生するという報告がしばしば入ってきます。ワークルールの徹底、働きやすい職場を作るには組合、組合員の存在は不可欠だと、私は考えています。
新学年、新学級の準備、校内体制の確立など、1年で最もお忙しい時期であることは十分承知していますが、今が動きどきです。
国の働き方改革実現会議の報告を追い風にして、4月にスタートダッシュをしましょう。組織拡大・分会目標を具体的に設定し、「ともに頑張りましょう!!」
神奈川県教職員組合 執行委員長 芹沢秀行